就職した旅行会社で出した企画「黄金の三角地帯で36時間の旅を」について

私が旅行会社で営業マンとして働いていた時に「かつては辺境と言われた地で、象との平和共存が計画された場所で洞窟をみつけよう」といった旅を企画したことがあります。
就職していた旅行会社は日本人が社長だったので営業をしていたのは主に日系企業への法人営業をしていました。利用される企業様の担当者はタイに住まれて長いのですが、社員旅行での利用以外は、本社や関連企業の日本人や家族ばかりでしたので、この企画は「面白い」と言われることなく却下となりました。

同じ旅行業界で働く友人(日本人・イギリス人・イタリア人)に話したところ、「すごく面白そう」「でも会社は企画を通さないだろう」と言う答えが返ってきました。しかし、お酒を飲んで話していたこともあってか「みんなで行こうよ」と言うノリになりました。私が旅行会社から製造業へ転職をする少し前に休暇を合わせて一緒に行きました。その時の思い出を日記を参考に時間を記しながら振り返ってみます。

黄金の三角地帯とは中国から南方に下った豊穣で広大な地帯、メコン川上流の静かで光に満ちた場所です。長年に渡って争いが繰り広げられ、タイ、ビルマ、ラオス、クメール人の軍隊が血で血を洗ってきた場所でもあります。かつての要塞と王立都市が、ジャングルと農地に埋もれています。

タイの北端にあるかつては辺境といわれた黄金の三角地帯は、今はいくつもの寺院や神殿が整備されています。空気張り詰めた神殿や秘められた洞窟、石灰岩に落ちる水音や猿の鳴き声が楽しめます。ジャングルから露出する山は象の通り道になっていて、ミャンマーとラオスの国境の霧の中から出現します。

数10年の間にこの地帯は再発見されてきました。麻薬の密輸や薬でハイになったバックパッカー達が1970年代にこの地の評判を落としたと嘆く人もいます。しかし今、旅行者たちは海辺の都市よりも夜間25度も気温低い、快適な気候と、美しい景色を楽しむことができます。青々とした草木に囲まれたロッジや川辺のレストラン、路地では丸々と太ってジューシーに焼かれたセミたちが、たった1ドルで売られています。

黄金の三角地帯での36時間

地図を広げてこの地帯で何をしようか、見つけよう

金曜日

1)午後3時 古都を自転車で巡る

チェンセンの中心部にほど近いところにで、ファット・フリーサイクルショップで(一日450バーツ、約13ドルです)自転車を借り、古い寺院や食料店、伝統的な屋台を巡りましょう。道は広々としていて、交通量も多くありません。そしてたまに
オートバイが通りかかりますが、通行人を通してくれます。目抜き通りのバホリョシン通りには屋台が立ち並び、竹の葉の上で焼かれたチキンやハーブと一緒に蒸された川魚などが売られています。良く絞られたフレッシュジュースは約130バーツです。冒険的なグルメにチャレンジしたい方は、シンソムバン市場に行きましょう。生のカエルの足や、巣で燻製にされたスズメバチの幼虫に挑戦しましょう。ポップコーンのように白くて、ふわふわしています。

2)午後4時 古の帝国

長く反映したラナ王朝の城壁に沿って8世紀にできた古い町をサイクリングしていると、歴史的な公園に当たります。14世紀のパサーク寺院です。タイ、クメール、ビルマ、ラオス、ヒンズー教、仏教の影響がミックスされています。天を突く尖の入場料は100バーツです。サフランの衣をまとった僧たちが13世紀に作られた黄金製の仏像(タイで最大級ですに祈りをささげます。もともとはチェディルワン寺院の名残を残す建築物です。道路わきでは、工芸品や素敵な織物、仏像などが安く売られています。

3)午後6時30分 日暮れの絶景

3つの国にまたがり、象を見下ろし、メコン河を見晴らす場所。アナンタラの「黄金三角地帯エレファントキャンプリゾート」には、地元産から西洋のものまで高価なものが売られ、雑に切られたセットとは不釣り合いな贅沢さです。ナームプリック・オング・ケープムー(皮をカリカリに焼いたスパイシーポーク)が鉄板の上で優雅に身をくねらせ、プラーヌンマナーオは地元でとれた白身魚を唐辛子とコエンドロの実で飾られた高級料理で、二人分で18,000バーツで食べられます。
アナンタラの窓口に行けば、英語で当地のタクシー、レンタカー、オートバイ、自転車の正確な情報が得られます。

土曜日

4)午前8時。朝のコーヒー

朝もやが引いたら、カルダモンとジンジャーのコーヒーを、甘いライスケーキと食べましょう。オピアム土産店のテラスにある、葡萄の蔓が繁お店で。90バーツのセットです。ドイ・タンの絶景スポットを目指すなら、早めに出発しましょう。最近まで、アクセス不能の僻地だったんですよ。
乗り心地は良いのですが、道は狭いです。ヘアピンカーブが続く道は、家畜に妨害されることはありません。GPSをあてにすべき場所と、無視すべき場所を使い分けるのが、うまく運転するコツです(ガイド付きのカーレンタルは、一日4,500バーツです)。

5)午前9時30分 国境の中国基地

小さなユナニース村の猿の群れと、タム・プラ寺院の急な階段に光る龍の爪に臆することなく進みましょう。清々しい気持ちで階段を登り終えると、そこは「魚のしっぽの洞窟」です。
湿気に満ちて、白ぽい視界の先には深い静けさが。脇にある小さな岩棚には、謎めいた笑みをたたえた胸像があり、仏教よりも精霊崇拝の影響を感じさせます。振り返るとビルマの稜線が見え、その先にはヒマラヤが聳えています。階段の登り口には若者たちが生簀の周りをせわしなく動いて、鯉の餌となるアサリを売っています。この地で崇拝されている神の化身なのです。

6)午前11時 丘の上の砦

工芸品を売る店の数々を縫うようにして進むと、その先は東南アジアの最後の豪族の跡地です。
クーンサは1970年台、麻薬を安くばら撒いてアメリカを貶めた人物として後ろ指を指されています。
しかし現地で彼は軍隊を立ち上げた人物として手織りの肖像画が掲げられ、首相や国王から使者が送られるほどの待遇を受けています。彼の執務室の現物大の肖像画の前でポーズを取ってみては?

7)午後1時30分。メコン川沿いの地方

リック島の開放的な雰囲気にひたってみましょう。アールヌーボーのポスターとアブサンの蔓がまっています。ラバリーレストランに行けば、裏庭で採れたハーブと野菜が焼肉と一緒に出されますよ。注文するには電話しましょう。一人350バーツです。地元住民のアカ族の手芸品が売られていて、伝統衣装も見ることができます。足元に目を移せば、多彩な絵画と
彫刻が。国中で知られているスリワンんは一見まるごとのスリフォンムーン画廊を作り、そこには印象派の画風で音楽家、パーティー、骸骨、幸せそうな象の家族などが壁一面に描かれています。

8)巨象との散歩

タイ国の象徴として崇められ、あちこちを闊歩していた象たちが、最近は困難に面しています。
しかしここでは、数10頭が保護された場所で自由に歩き回る幸せを享受しています。「黄金地帯のテント・キャンプの四季」ではひと組10,000バーツで2時間、象に乗る贅沢な体験ができます。「黄金アジア象基金」では6,000バーツで象たちがサトウキビを倒しながら進む姿を見ることができます。

9)午後7時 川を見ながら食事

右手にカラオケバーや夜の酒場を、左手には月夜のメコン川ながめながら、藤製のマットとクッションにくつろいでロングテールボートが流れていく光景。ロエンボイカフェは深夜まで営業し、焼き魚、栄養たっぷりのカレー、刺激的なサラダと巨大ジョッキのビールが提供されます。
テーブルは小さいので分けて飲むに限ります。約300バーツです。

日曜日

10)朝8時30分 儀式と写真撮影

ワット・プラ・タート・ブハオで朝の雨を凌ぎ、気温の上昇をしのぎましょう。5世紀の有力者が祭壇を作り、化粧漆喰の小さな仏像が骨董品として価値があります。いくつかの長い階段を登っていくと、素朴な作りの寺院から、豪奢なものまでが高台に混在しています。
たくさんの輝く仏像と僧たちの祈りが朝の儀式を伝えます。大半の観光客は真っ直ぐに精巧な門に行き、川の上流の大パノラマを背景に記念写真撮影をします。

11)午前11時 アヘンの花

アヘン博物館のホールに行くと、西洋にはない、東アジアの大半を制圧した王朝の原動力を目の辺りにします。そしてかつてない規模の貿易拠点としても機能しました。今ではアヘンの常用に警笛を鳴らし、この地域の部族に手を出さないで保護することに力が注がれています。入場料は300バーツです。

今、この記事を書きながら日記を読んでいると、懐かしいと言う思いとまた行きたいと言う気持ちがあります。この度は、私が旅行会社に就職していた最後の良い思い出です。その時の仲間の一人は退職して自国に帰ってしまった人もいるけど、フェイスブックではつながっています。残されて、バンコクで働いている仲間は1ヶ月に1回のペースで集まっています。